帝京大学医学部附属病院における17年間の真菌血症分離菌の動向

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タイトル別名
  • Survey of Fungemia Cases During the Past Seventeen Years at Teikyo University Hospital
  • テイキョウ ダイガク イガクブ フゾク ビョウイン ニ オケル 17ネンカン

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抄録

1979年4月から1996年3月までの17年間の, 帝京大学医学部附属病院における真菌血症分離菌の動向を検討した. 血液培養が実施された18,403症例中, 真菌血症は642症例 (13.5%) であった.真菌血症例数は, 1980年代中期より急増し1988年には最大 (92症例) に達したが, それ以降は減少傾向を示した. 検出菌種は, (1) Candidaalbicansが224例 (34.9%) で最も多く, 以下, (2) C.parmpsilosis1 49例 (23.2%), (3) C.tropicalis 87例 (13.6%), (4) C.glabrata 65例 (10.1%), (5) Hansenula anomala 58例 (9.0%), (6) C.guilliermondii 24例 (3.7%), (7) C.famala 14例 (2.1%), (8) Trichosporon beigeliil 1例 (1.7%), (9) C.inconspicuaおよびC.lusitaniae各5例 (0.8%) の順で, その他の菌種の検出例も33例 (5.1%) あった. Fluconazole (FLCZ) が臨床に導入された1989年以降C.albicansの分離頻度は減少傾向を示し, これに代わってFLCZに比較的感受性の低いnon-allbicans Candidaspp. やTrichosporonspp. の増加が認められるようになった. 1983年以降29症例に真菌間での菌交代現象が, 11症例に複数真菌検出例が認められたが, いずれも不幸な転帰を辿った終末期の患者であった.近年における真菌血症の起炎菌の菌相は, 抗真菌薬, 特にFLCZの影響により大きく変化していることが示唆された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (2), 105-113, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (28)*注記

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