歯周治療におけるEvidence-Based Medicine Evidence-Based Medicine in Periodontal Therapy

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著者

    • 横田 誠 YOKOTA Makoto
    • 九州歯科大学歯科保存学第2講座 Department of Periodontology and Endodontology, Kyushu Dental College
    • 内藤 徹 NAITO Toru
    • 九州歯科大学歯科保存学第2講座 Department of Periodontology and Endodontology, Kyushu Dental College

抄録

ここ数年, Evidence-Based Medicine (EBM) をめぐる話題がかまびすしい。しかし, 論文に基づいた治療ならばEBMであるとか, EBMによって治療術式の選択への裁量権が制限を受けるのではといった, さまざまな誤解に取り巻かれているのが現実である。EBMとはいうものの, 従来からの医療を否定するものではなく, 臨床研究に基づいた科学的根拠・診療技術・患者の選好の3者のいずれにも重きを置くことには, 従来からの医療哲学とかわりがあるわけではない。<BR>医療情報のデジタルデータベース化によって, コクラン共同計画のような, 既存の臨床研究のエッセンスを無駄なく効率よく臨床家に伝えるための世界的な動きも活発になり, 歯科治療もどの中に組み込まれ始めている。臨床研究デザインの改良や臨床研究の登録制度も, 医療情報を生産するための資源の活用に一役買っている。医科領域においても, いろいろな医学情報の誤りがあったものの, 近年の非常によくデザインされた大規模なトライアルによって, 誤った情報が修正されつつある。そして, それらの研究のエンドポイントは, あくまでも患者を中心においたものであることが注目されるべき点である。<BR>歯周治療を支える医療情報について, 歯周治療として多くの教科書に記載されている咬合調整を例として, 根拠となる介入研究を調べたところ, わずか数編の報告しかないことなど, 歯周治療も科学的な根拠に基づいているといえるものがどれほどなのか, 検証が必要な段階である。コクラン共同計画でレビューされた歯周領域の研究に対するレビューグループのコメントの一つは, 研究デザインと報告スタイルの向上を問うものであった。医療全体の中でもいわゆる科学的なエビデンスに支えられた治療というのはそれほど多いものではないともいわれている。歯科の中では歯周治療は基礎研究と臨床研究の融和が進み, Evidence-Basedな分野であると考えられていたが, さらに多くの歯周治療の臨床上の疑問に直接答えるような研究を推し進める必要があると思われる

収録刊行物

  • 日本歯周病学会会誌

    日本歯周病学会会誌 44(2), 111-116, 2002-06-28

    JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY

参考文献:  21件中 1-21件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10008956969
  • NII書誌ID(NCID)
    AN0019129X
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    03850110
  • データ提供元
    CJP書誌  J-STAGE 
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