インフルエンザ  最近の臨床の進歩

  • 菅谷 憲夫
    日本鋼管病院小児科 現 けいゆう病院小児科

書誌事項

タイトル別名
  • A revolutionary change in the diagnosis and treatment of influenza
  • インフルエンザ サイキン ノ リンショウ ノ シンポ

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抄録

日本では, 学童集団接種は無意味であったという意見が流布し, 集団接種を中止したことは当然のように考えられてきた. しかし, 学童集団接種が実施されていた1970年代, 1980年代のインフルエンザによる死亡者数 (超過死亡) を調査してみると, 1990年代に比べて大幅に低く, 学童集団接種による集団免疫により, 高齢者の死亡が大幅に抑えられていたことが明らかとなった. 最近の数年間で, 日本のインフルエンザの診断と治療は急速に進歩して, 世界のトップとなった. インフルエンザは, 臨床的にインフルエンザ様疾患として, 抗生剤, 解熱剤等を投与する時代は終わり, 迅速診断を実施しその結果に基づいてノイラミニダーゼ阻害剤で治療するという先進的なインフルエンザ診療が, 世界に先駆けて日本において確立しつつある. インフルエンザ脳症と報告されている症例の一部は, インフルエンザウイルスとHHV-6またはHHV-7の重感染が関連している可能性が報告された.

収録刊行物

  • ウイルス

    ウイルス 52 (1), 47-53, 2002

    日本ウイルス学会

参考文献 (20)*注記

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