右手の病的把握現象と物品の強迫的使用行為を呈した脳出血後遺症の１例

• 谷 哲夫

• 清水 倫子

• 赤根 良

• 天田 稔

• 中川 勝豊

書誌事項

タイトル別名

• A case of right grasp reflex and right compulsive manipulation of tools associated with cerebral hemorrhage.

抄録

    46歳，右利きの女性。脳出血後より，左手の失書，右手の病的把握反射，右手の物品の強迫的使用行為，左手優位の両手の観念運動失行が出現した。頭部MRI検査では，左側の前頭葉内側面から前部帯状回の一部および脳梁体～膨大部に及ぶ病変を認めた。<br>    本例では，病的把握反射が補足運動野の損傷なしに出現した点が注目された。物品の強迫的使用行為は本例の意志に反して “物品を使用したい” という強迫的な意図が発生することにより惹起された。<br>    われわれは前補足運動野の損傷を重視し，前補足運動野を介する神経経路，特に視床～運動野間の神経結合の途絶が病的把握反射および物品の強迫的使用行為に関与すると考察した。

収録刊行物

• 失語症研究

  失語症研究 20 (3), 260-267, 2000

  日本失語症学会 （現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会）

キーワード

• 病的把握現象
• 物品の強迫的使用
• 前頭葉内側面
• 前補足運動野
• 補足運動野

詳細情報

• CRID: 1390282679738011136
• NII論文ID: 130004893124
• NII論文ID: 10009546587
• NII書誌ID: AN00329488
• DOI: 10.2496/apr.20.260
• ISSN: 18806716
• ISSN: 02859513
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2001054375
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可