経皮経肝胆道鏡を利用した総胆管結石砕石術と開腹下総胆管切開切石術の術後成績の比較

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  • Comparison of Clinical Outcome between Percutaneous Transhepatic Endoscopic Choledocholithotomy and Surgical Choledochotomy

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抄録

平成3年1月より平成10年12月までに当科において総胆管結石治療として開腹下総胆管切開切石術した102例と経皮経肝胆道鏡 (PTCS) 下砕石術を施行した56例を対象に平成12年8月までの追跡調査を行い, 臨床成績の比較を行った。観察期間中 (平均5年10カ月) に, 総胆管切開術では3例 (2.9%), PTCSでは4例 (5.7%) に総胆管結石の再発を認め, 両者で有意な差は認められず, 手術療法と同等の治療成績が得られた。PTCS治療のほうが入院期間は長く, 穿刺に伴う合併症として気胸, 胆道出血などが認められたが, 砕石操作に伴う重篤な合併症はなかった。肝内胆管及び胆嚢両者のドレナージや, 胆嚢管経由の総胆管ドレナージなどで胆石も除去した症例では, 観察期間中に総胆管結石は再発しなかったが, 胆石を放置した症例と比較して有意な差は認められなかった。このことは, 総胆管結石に対する当初の治療として合併する胆石に対する治療を付加するにこしたことはないが, あえて必要とはしないと考えられた。内視鏡や周辺機器の進歩とともに様々な工夫により, 総胆管結石に対する治療成績が向上し, 適応の拡大が期待された。

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