線維腺腫内に発生した乳癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Breast Cancer Developed Within Fibroadenoma

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抄録

線維腺腫内に発生した浸潤性乳頭腺管癌の1例を経験したので報告する。症例は65歳女性で, 約30年前に右乳房の腫瘤を自覚したが線維腺腫の診断にて某医で経過観察していた。平成11年3月頃より増大傾向を認め当科を初診した。局所所見では, 占拠部位は右乳腺D領域で, 卵形, 境界明瞭, 弾性硬, 大きさ1.5cm×1.5cmであった。乳房の皮膚および皮下組織への癒着は認めなかった。超音波検査, マンモグラフィーでも悪性所見は認めなかった。細胞診はclassIIの診断であった。しかし, 増大傾向があったことを考慮して, 局所麻酔下に腫瘤の摘出生検を施行した。病理組織診断にて線維腺腫内に乳頭腺管癌を認め, 生検後49日目に右乳房円状切除および右腋窩リンパ節郭清術を施行した。自験例は線維腺腫内に発生した浸潤性乳頭腺管癌であり, 本邦報告例では, 16例目であると思われる。

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