腸切除が有効であった消化管通過障害合併放射線腸炎の2例

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  • Two Cases of Radiation Enterocolitis with Intestinal Obstruction Treated by Intestinal Resection

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抄録

放雑線腸炎に起因する消化管通過障害に対し, 腸切除が有効であった2例を報告する。症例1は69歳女性。症例2は58歳女性。ともに子宮頸癌に対し子宮全摘術, 術後放射線照射を受け, 照射終了6カ月後より腹部膨満が出現し保存的治療で軽快せず, イレウス管からの造影にて回腸の器質的狭窄を認めたため手術を行った。手術所見は2例とも回腸は肥厚し屈曲, 癒着しており, 症例1は回腸部分切除, 症例2は回盲部切除を行った。病理組織学的に漿膜下組織の線維化を認めた。術後経過は良好で, それぞれ術19, 33カ月後の現在, 消化管通過障害の再発を認めていない。放射線腸炎は晩期には狭窄による通過障害をきたす。しかし強度の癒着や縫合不全を危惧し, 長期にわたり保存的治療を行い, QOLを損なっていることが多い。今回われわれは術前挿入留置したイレウス管を指標に不要な癒着剥離を避け, 腸切除, 再建を行い, 良好な結果を得た。

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