下部直腸癌に対する低位前方切除術の長期予後 : 腹会陰式直腸切除術との比較

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  • Prognosis of Low Anterior Resection for Lower Rectal Cancer : comparison of abdominoperineal resection

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抄録

進行下部直腸癌に対する低位前方切除術 (LAR) 46例の治療成績について, 腹会陰式直腸切断術 (APR) 112例と比較検討した。LARは肛門側腫瘍断端 (AW) 2cm確保を条件に施行した。LARの3, 5, 10年生存率は85%, 75%, 62%でAPRの81%, 69%, 53%と比べ差を認めなかった。また, LARでは肉眼型, APRでは組織型, リンパ管侵襲が予後因子となった。合併症はLARで9例 (20%), APRで15例 (13%) に認められ, それぞれ1例 (2%), 2例 (2%) が死亡した。再発はLARで11例 (24%), APRで30例 (27%) に認められ, このうち局所再発はLAR5例 (11%), APR11例 (10%) で, LARの3例 (7%) は吻合部再発であった。以上, AW2cm確保という適応条件下ではLARの生存率, 合併症, 再発率はAPRと比べ差を認めなかった。

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