猫の犬糸状虫症における肺病変の病理学的観察

書誌事項

タイトル別名
  • A Pathological Study on Pulmonary Lesions of Dirofilariasis in a Cat

この論文をさがす

抄録

交通事故死した猫 (雑種、雄、年齢不詳、体重1.3kg) を剖検したところ、右心室内に犬糸状虫 (雄、体長12cm) が一隻寄生していた。病理組織学的検索により肺には好酸球と単核細胞の浸潤および巨細胞の出現を伴う肺内肺動脈の塞栓症が認められた。部位によっては動脈周囲炎や気腫、うっ血もみられ、肺病変は重度かつ広範囲に及んでいた。肺内肺動脈に多数出現していた肥満細胞は電顕的に電子密度の異なる大小不同の顆粒を有し、粒子構造優位型 (Particulate-type) に分類された。それらの顆粒は融合 (fusion) 形成や急速型脱顆粒現象を示唆する迷路状構造 (labyrinth-type) を形成しており、虫体寄生に伴うアレルギー反応のあらわれと考えられた。

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ