非閉塞性胆嚢炎3例の検討

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  • Clinical Study of Three Cases with Non-obstructive Cholecystitis

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抄録

非閉塞性胆嚢炎の3例を検討したので報告する。全例既往歴に動脈硬化性の脳血管障害を有していた。主訴, 2例は突然の右季肋部痛, 1例は心窩部痛と嘔気であった。画像所見のうちUSでは全例胆嚢壁の肥厚は軽度で明確な3層構造は認めなかったが, 胆嚢内壁の不整と胆泥を認めた。3例とも腹水を認めたが画像上胆汁か浸出液かの鑑別は困難であった。2例は待機手術がなされたがうち1例は胆嚢部分切除となり, 2例とも胆嚢管まで壊死に陥っており処理が不確実であった。残る1例は緊急手術がなされたが全身状態が不良のため壊死胆嚢からの胆汁漏出に対する局所ドレナージのみ施行した。摘出された2例の胆嚢壁は全域にわたり全層性の壊死に陥っていた。非閉塞性胆嚢炎は典型的な臨床所見に乏しいため, 胆嚢動脈根部の閉塞する危険因子を有する症例は念頭に置く必要がある。またUSで胆泥貯留, 胆嚢内壁の不整, 腹水貯留などの所見が診断に有用であった。

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