外科感染症分離菌とその薬剤感受性1999年度分離菌を中心に

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  • BACTERIA ISOLATED FROM SURGICAL INFECTIONS AND THEIR SUSCEPTIBILITIES TO ANTIMICROBIAL AGENTS SPECIAL REFERENCES TO BACTERIA ISOLATED BETWEEN APRIL 1999 AND MARCH 2000

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抄録

1982年7月から外科感染症分離菌とその薬剤感受性に関する多施設共同研究を行っている。今回は1999年度 (1999年4月~2000年3月) の結果を中心にまとめた。調査対象となった207症例のうち169例 (816%) から411株の細菌が分離され, そのうちの184株は一次感染症から, 227株は術後感染症からのものであった。一次感染症では術後感染症に比べ嫌気性菌, Streptococcus spp., ならびにEscherichia coliの分離率が高く, 術後感染症では好気性グラム陽性菌の比率が高かった。全体としては, 好気性グラム陽性菌ではStaphylococcus aureus, 嫌気性グラム陽性菌ではPeptostreptococcus prevotii, 好気性グラム陰性菌ではE. coli, 嫌気性グラム陰性菌ではBacteroides fragilisの分離頻度が最も高かった。年次的には, 一次感染症において増加傾向にあった好気性グラム陰性菌の比率は減少し, 嫌気性グラム陰性菌の比率が増加したが, グラム陽性菌の比率は前年度とほぼ同等であった。術後感染症においては, 1990年以降増加し続けていた嫌気性グラム陰性菌の比率が減少し, 前年度減少した好気性グラム陽性菌の比率が増加した。S. aureus 41株から29株 (70.7%) のMRSAが検出されたが, 前年度に比較して, その株数および比率はともに減少した。薬剤感受性に関しては, E. coliおよびK.pneumoniaeが, 1998年度と同様に第三, 第四世代のセフェム系薬やオキサセフェム系薬, モノバクタム系薬に対して感受性の低下を示した。カルバペネム系薬のIPMおよびMEPMに対するP. aeruginosaの感受性は, 1997年度以降低下していることが明らかとなった。S. aureusにおいて, Arbekacin, Vancomycin, Teicoplaninに耐性を示す株はなく, 良好な感受性が認められた。

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参考文献 (19)*注記

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