2000年および2001年臨床分離株に対するcefpodoxime (CPDX) の抗菌力

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  • ANTIBACTERIAL ACTIVITY OF CEFPODOXIME AGAINST CLINICAL ISOLATES IN 2000 AND 2001

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抄録

Cefpodoxime proxetil (バナン®) の市販後調査を目的に, 2000年6月から2001年3月までに日本全国各地の医療機関15施設で分離された臨床分離株22菌種1090株に対するcefpodoxime (CPDX, バナン®の活性体) のMICを日本化学療法学会の微量液体希釈法を用いて測定し, 経口用セフェム系抗菌薬cefaclor, cefdinir, cefditoren, cefcapeneと比較した。<BR>市販前の成績と比較してCPDXの抗菌力に大きな変化が認められた菌種は, Streptococcus pneumoniaeおよびHaemopmus influenzaeであった。これは, バナン®が発売された1989年当時にはほとんど分離されなかったpenicillin-intermediate S. pneumoniae (47.3%), penicillin-resistant S. pneumoniae(PRSP, 15.1%) およびβ-lactamase-negative ampicillin-resistant H. infruenzae (24.0%) のような耐性菌の増加によると考えられる。これらの耐性菌に対しては, 他のセフェム系薬も低い抗菌力を示した。但し, PRSPに対してCPDXはMIC90値が2μg/mLと比較的良好な抗菌力を示した。Methicillin-susceptible Staphylococcus属, Streptococcus pyogenes, Streptococcus agalactiae, Moraxella catarrhalisに対してCPDXは市販前と同様にMIC90値が4μg/mL以下と良好な抗菌力を示した。キノロン耐性Neisseria gonorrhoeaeに対してもCPDXはMIC90値が0.5μg/mLと優れた抗菌力を示した。Citrobacter freundii, Enterobacter属, Proteus vulgaris, Marganella morganiiを除く腸内細菌科の菌種に対してCPDXは良好な抗菌力を示したが, Escherichia coli, Klebsiella属, Proteus属, Providencia属にはCPDXを含む全ての検討薬剤に対して高度耐性を示す株が存在した。Peptostreptococcus属に対するCPDXの抗菌力はMIC90値が8μg/mLで, そのMIC rangeも0.03~32μg/mLと市販前と同様に幅が広かった。本調査においては, 他の検討した薬剤と同様にCPDXの抗菌力はいくつかの菌種に対して低下していたが, ほとんどの菌種に対しては良好な抗菌力を維持していた。今後も耐性菌の動向について注意を払う必要がある。

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