糖代謝と不整脈  1,098例の心筋梗塞患者における検討

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タイトル別名
  • <I>The relationship between glucose metabolism and the prevalence of arrhythmias in patients with myocardial infarction</I>
  • ―1, 098例の心筋梗塞患者における検討―

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抄録

従来糖尿病は虚血性心疾患に対して危険因子となり, これを伴った患者は心不全等の各種合併症の発生頻度が高く, さらに死亡率が高いことが欧米および本邦からも報告されている.そこで不整脈薬物療法研究会が回収した1, 098例の心筋梗塞患者のアンケートを糖代謝に注目してサブ解析した.その結果, 糖代謝正常群が728例, 糖代謝異常群が370例であった.糖代謝異常群では有意に高血圧, 高脂血症の合併が多く, 梗塞後狭心症が有意に多く認られた.心室細動, 持続性心室頻拍, 非持続性心室頻拍等の重篤な不整脈や, 心房細動の発生は両者で有意差を認めなかった.急性心筋梗塞に限定して同様の解析を行うと, 糖尿病群で心房期外収縮が有意に多く認められた.心血管死, 突然死についても比較検討したが, 両群で有意差を認めなかった.またインスリン, 経口血糖降下薬, その他の糖代謝異常治療薬による不整脈の発生頻度に症例数が少ないためか有意な差異は認めなかった.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 22 (6), 633-639, 2002

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (30)*注記

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