箱根地域におけるブナ林の群落分化機構

  • 西尾 孝佳
    東京農工大学大学院連合農学研究科 宇都宮大学雑草科学研究センター
  • 福嶋 司
    東京農工大学農学部

書誌事項

タイトル別名
  • The mechanism of the community differentiation of the beech forests in the Hakone mountains
  • ハコネ チイキ ニ オケル ブナバヤシ ノ グンラク ブンカ キコウ

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抄録

本研究は箱根地域の代表的な自然林であるブナ林群落を対象に,群落分化の実態を整理し,分化と立地要因の関係について明らかにすることを目的に行った。箱根地域のブナ林は植物社会学的にブナーヤマボウシ群集に属し,2亜群集4変群集6亜変群集が識別された。DCA法による植生調査スタンドの序列化では,座標平面上において二つの亜群集の展開領域が異なった。 DCAのスコア値とさまざまな環境指標値との相関では,1軸のスコアにおいて地質,傾斜,土壌の含水率,pH,土壌の厚さ,2軸のスコアにおいて土壌の黒さと有意な相関を得た。これらの環境要因と植生単位との対応をヒエラルキー分類系の各次元ごとに検討した結果,亜群集の分化では土壌の保水性,変群集の分化では土壌pH,亜変群集の分化では腐植層の存在が重要な役割を果たすと推測された。

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参考文献 (27)*注記

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