臨床分離株に対するcefozopranの抗菌力の推移 (1996~2001年)

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タイトル別名
  • YEARLY CHANGES IN ANTIBACTERIAL ACTIVITIES OF CEFOZOPRAN AGAINST VARIOUS CLINICAL ISOLATES BETWEEN 1996 AND 2001
  • I. GRAM-POSITIVE BACTERIA
  • その1グラム陽性菌

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抄録

1996年から2001年度までに得られた臨床分離菌株に対する, セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の抗菌力を年次的に検討すると共に, その他のセフェム系, オキサセフェム系, カルバペネム系, およびペニシリン系抗菌薬の抗菌力と比較した。対象とした臨床分離株は, 毎年1月から12月の1年間に臨床材料から分離されたグラム陽性菌: Methicillin susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), Methicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Staphylococcus epidermidis, Staphylococcus haemolyticus, Streptococcus pyogenes, Streptococcus agalactiae, Streptococcus pneumoniae, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Enterococcus avium, Peptostreptococcus spp.(P. anaerobius, P. asaccharolytious, p.magnus, P. micros, P. prevotii) の15菌種1,274株であった。CZOPは6年間, いずれの菌種に対しても安定した抗菌力を示した。CZOPはMRSAとS. haemolyticusで経年的なMIC90値の低下傾向, S. pneumoniaePeptostreptococcus spp. で上昇傾向という, 若干の変動が観察されたものの, そのMIC90は承認時までに調査した成績とほぼ同等であった。また, S. pneumoniaeはcefbirome (CPR), cefbpime (CFPM), nomoxef (FMOX), sulbactam/cefbperazone (SBT/CPZ), imipenem (IPM) に対して, Peptostreptococcus spp. はFMOX, SBT/CPZ, IPMに対して感受性の低下が認められた。<BR>しかしながら, この感受性の低下は, MICの範囲が各薬剤で毎年ほぼ一定して広いこと, 並びにいずれの年次においても菌株毎の感受性に非常に大きなばらつきがあることから, 必ずしも抗菌力の低下と結びつけることはできないと考えられた。<BR>今回の6年間にわたる調査結果から, CZOPのグラム陽性菌に対する抗菌力に大きな経年的変動は認められず, 市販後においても強い抗菌力が維持されていることが示唆された。

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