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抄録
83歳,女性.初診約3ヵ月前に頭頂部に発症した結節とその周囲に広がる斑状の悪性血管内皮細胞腫に対して,結節部の小範囲外科的切除とrecombinant interluekin-2(以下rIL-2)およびLAK細胞の局注(局所養子免疫療法)を施行した.その結果,治療35日目にほぼ消退し,3ヵ月後局所再発が見られたが同治療を再開したところ再度略治状態となった.しかし,初診8ヵ月後に肺転移を起こし血胸にて死亡した.部検の結果,主な転移病巣は肺実質よりむしろ横隔膜と胸膜であった.本例において転移は治療にて予防できなかったが,頭頂部原発の腫瘍を略治できたことで,肉眼的に悲惨な状況を回避できた.転移予防および転移巣に対する治療法の開発が望まれるが,現時点において同治療法は患者のQOLに貢献しえたと思われる.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 107 (4), 541-, 1997
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205740249344
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- NII論文ID
- 130004681022
- 10011514981
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可