この論文をさがす
抄録
細胞膜は,種々の蛋白質からなる膜骨格によって細胞内側から裏打ちされている.この膜骨格の構造と機能についてはこれまで主にヒト赤血球で解析されてきたが,ヒト表皮角化細胞においても数種類のヒト赤血球膜骨格に類似した蛋白質の存在が免疫化学的に確認されている.本研究では,主要な裏打ち蛋白質であるスペクトリン様蛋白質(フォドリン)に着眼し,培養ヒト表皮角化細胞内にelectroporation(電気穿孔)法を用いて抗ヒト赤血球スペクトリン抗体を導入し,アクチン線維の分布動態を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した.その結果,細胞内で抗スペクトリン抗体とフォドリンの免疫複合体が形成され,Ca2+で誘導されるアクチン線維の分布変化が阻害された.このことからフォドリンがヒト表皮角化細胞のアクチン線維の細胞内分布の規定に重要な役割を果たしていることが示唆された.
収録刊行物
-
- 日本皮膚科学会雑誌
-
日本皮膚科学会雑誌 105 (5), 691-, 1995
公益社団法人 日本皮膚科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205740615936
-
- NII論文ID
- 130004680871
- 10011516536
-
- NII書誌ID
- AN00196602
-
- COI
- 1:CAS:528:DyaK2MXlslGisLw%3D
-
- ISSN
- 13468146
- 0021499X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可