経皮的ドレナージ後, 摘脾術を要した孤立性脾膿瘍の1例

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  • Report of a Case of Solitary Abscess of the Spleen Required Splenectomy after Percutaneous Drainage

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抄録

症例は63歳, 男性。左季肋部痛, 発熱を主訴に内科を受診した。基礎疾患に糖尿病を有するも外傷や明らかな感染症の既往はなかった。炎症反応の高値および腹部CTにて脾内にガス像を伴う低吸収域を認め, 脾膿瘍と診断された。エコー下に経皮的脾膿瘍ドレナージを施行され, 症状および炎症反応の改善をみたことより第9病日にドレーンを抜去したが, 2日後に膿瘍が再燃し, 敗血症をきたした。脾膿瘍再ドレナージを行うも奏効せず, 外科転科となり摘脾術を施行した。術後呼吸循環状態不良にて人工呼吸管理を要した。さらにMRSA腸炎, 術後腹腔内膿瘍を合併したが抗生物質, 経皮ドレナージにより改善した。脾膿瘍は比較的稀な疾患である。近年, 経皮的ドレナージによる治療の報告例が散見されるが, 容易に再発し難治重症化しうる症例もあり注意が必要である。また, 経皮的ドレナージでは充分なドレナージ期間を置くことが重要であると考えられた。

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参考文献 (25)*注記

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