地域を対象とした肝胆膵がん集団検診の限界

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  • The Limit of Cancer Screening for Liver, Biliary and Pancreatic Cancers

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抄録

肝胆膵がんを目的とした地域集団が対象の検診結果をみると, 胆嚢, 膵臓, 腎臓の癌は発見率が低く集検に「なじまない」と考えられた。発見率が集検に「なじむ」のは肝細胞癌 (以下肝癌) のみであった。地域集検発見肝癌症例の予後は病院の一般外来発見肝癌症例の予後に比べると有意に良好であったが, 死亡率を減少させるという「検診」の目的を達成できるものではなかった。また, 超ハイリスク群のスクリーニングを行っている肝臓外来発見肝癌症例の予後と地域集検発見例の予後に差がなく, 肝癌発見のために莫大な費用と労力を費やして新たなシステムを構築するのはメリットが少ないといえる。肝癌については「健診」でハイリスク群を拾い上げ医療機関で厳重に経過観察し早期発見に努め, インターフェロンによる1.5次予防にも努めるべきである。その他の癌については総合的な「健診」の一部として超音波検査を導入して発見に努めるのがよいと考えられた。

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