消化器癌手術における術中輸血と術後感染症の関連性に関する検討

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  • Correlation between Intraoperative Blood Transfusion and Postoperative Infection in Gastroenterological Cancer Surgery

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抄録

消化器癌手術110症例を対象とし, 主に術中輸血が術後の感染症発生に与える影響について検討した。術後感染 (+) 群と感染 (-) 群の2群間において, 術中輸血の種類, および免疫能の指標としてCD4/CD8, NK活性, IAPの術後の変動を比較検討した。術後感染症発症率は同種血群36%, 自己血群16%, 無輸血群2%となり, 同種血群は非同種血群 (無輸血群+自己血群) に比し有意に高い発症率を示した。感染内容と術中輸血の種類との間には明らかな関係は認めなかった。CD4/CD8, NK活性, IAPは感染 (+) 群と感染 (-) 群で明らかな変動の差は認めなかったが, 術後感染 (+) 群におけるNK活性は自己血群に比し同種血群で有意に低下を示した。消化器癌手術における自己血輸血は同種血輸血に比し, 術後感染症の予防からも極めて有用と思われた。

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