生体肝移植ドナー手術における自己血輸血の有用性

この論文をさがす

抄録

生体肝移植におけるドナー手術はグラフトの肝機能保護という制約のために, 健常人でありながら多量出血の可能性もある。そこで自己血輸血は不可欠でありその有用性, 問題点を自験例15例について検討した。16.9±4.6 (7-22) 日の貯血期間に1063±180 (800-1400) mlの自己血を合併症無く確保できた。Hbは採血前13.9±1.5g/dlが術前11.8±1.4g/dlとなり, 2.1±0.7g/dlの減少であった。採血前後でT.P., Alb, ChoEは有意に減少したが, その他には明らかな変化はなかった。出血量1187±764 (340-2820) mlに対して自己血682±427 (0-1644) ml使用した。7例には術中回収血388±231 (214-650) mlも使用し同種血輸血は回避できた。鉄剤静注した3例は経口投与に比較し肝に鉄沈着を認めたものの術後肝機能には影響を認めなかった。

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ