肝切除後に合併した高度の良性胆管狭窄に対して金属ステントが有効であった症例

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タイトル別名
  • Expandable Metallic Stent Placement for Severe Biliary Stricture after Hepatectomy
  • A Case Report

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抄録

症例は53歳の男性。TAEを多数回施行後の進行肝細胞癌に対して, 拡大肝右葉切除術を施行した。術後ビリルビンの上昇を認め, ビリルビン吸着と血漿交換を繰り返し施行した。術後37日目のMRCPで左肝管から総肝管にかけての狭窄を認め, 手術に伴った術後胆管狭窄と診断した。PTCDを施行し減黄することができたが, 胆管の狭窄は十分には改善しなかった。予後を考慮して, 早期外来治療への移行を目的としてExpandable Metallic Stent (EMS) 留置を行ったところ, PTCDチューブは抜去され退院可能となった。退院6カ月後に原病死したが, この間EMS留置に伴う合併症を認めず, 外来通院が可能であった。近年, 良性胆管狭窄に対するEMS留置例が増加しつつあるが, その適応については意見の分かれるところである。自験例のように短期的な症状改善を目的としたEMS留置は有効であると考えられた。

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参考文献 (13)*注記

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