地域住民における Body Mass Index と高血圧,糖尿病,高コレステロール血症発症に関する追跡研究

書誌事項

タイトル別名
  • BODY MASS INDEX AND SUBSEQUENT RISK OF HYPERTENSION, DIABETES AND HYPERCHOLESTEROLEMIA IN A POPULATION-BASED SAMPLE OF JAPANESE
  • チイキ ジュウミン ニ オケル Body Mass Index ト コウケツアツ トウニョウビョウ コウコレステロール ケツショウ ハッショウ ニ カンスル ツイセキ ケンキュウ

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抄録

目的 地域住民健常者において,body mass index (BMI)区分とその後の高血圧,糖尿病,高コレステロール血症発症との関連を明らかにする。<br/>方法 茨城県内における基本健康診査受診者で,高血圧,糖尿病,高コレステロール血症の既往のない40~69歳の男女1,427人を平均4.3年間(平成 5 年~12年)追跡し,BMI とその後の高血圧,糖尿病,高コレステロール血症の発症との関連を分析した。<br/>成績 追跡期間中,118人が高血圧(収縮期血圧160 mmHg 以上,拡張期血圧100 mmHg 以上,高血圧治療中のいずれか)を,56人が糖尿病(空腹時血糖126 mg/dl 以上,随時血糖200 mg/dl 以上,HbA1c 6.1%以上,糖尿病治療中のいずれか),136人が高コレステロール血症(血清総コレステロール値240 mg/dl 以上(50歳代以上の女性のみ260 mg/dl 以上),又は高脂血症治療中)を発症した。性,年齢,自覚的運動不足の有無,食習慣,飲酒状況,喫煙状況および初回健診時の血圧,血糖,総コレステロール値を調整すると,高血圧,糖尿病の相対危険度は BMI(kg/m2)が27.0以上の群で21.0~22.9の群に比べいずれも有意に高く,高血圧の相対危険度(95%信頼区間)は1.9(1.0-3.6),糖尿病については2.9(1.2-7.4)であった。しかし,これらの関係は BMI が23.0~24.9の群,25.0~26.9の群では統計学的に有意でなかった。一方,高コレステロール血症の多変量調整危険度は BMI が23.0~24.9の群で1.5(0.9-2.6), 25.0~26.9の群で1.7(0.9-3.2), 27.0以上の群で1.6(0.8-3.1)であり,いずれの関連も有意でなかった。これら三疾病を合算した分析では,多変量調整危険度は BMI が23.0~24.9の群で0.9(0.6-1.5), 25.0~26.9の群で1.2(0.7-2.1), 27.0以上の群で1.8(1.0-3.3)であった。<br/>結論 BMI が27.0以上の群において,高血圧,糖尿病の発症リスクが増大することが明らかとなった。このリスクの増大は BMI が27.0未満の群では統計学的に有意でなかったことから,BMI が25.0~26.9の者に対して一律に減量指導を行う必要性は,BMI が27.0以上の群に比べ少ないと判断された。

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