犬におけるアシュネル眼球圧迫試験

• 川崎 安亮

  鹿児島大学農学部

• 森山 良人

  鹿児島大学農学部

書誌事項

タイトル別名

• Aschner Eyeball-pressure Test for Dogs
• イヌ ニ オケル アシュネル ガンキュウ アッパク シケン

抄録

アシュネル眼球圧迫試験における心拍変動 (HRV) を健常な成犬7頭 (雑種5頭, イングリッシュポインター2頭) で検討した. 眼球圧迫は959/cm², 20秒間とした. HRVの指標には, 心電図のRR間隔 (RRI) の平均値, 標準偏差 (SD_R-R), 変動係数 (CV_R-R) および瞬時心拍数 (IHR) を用いた. RRI時系列 (RRITS) は13点単純移動平均法を用いて, 短期変動時系列 (STTS) と長期変動時系列 (LTTS) に分離した. STTSと呼吸周期の平均周期は有意な正の相関 (r=0.974) を示したので, 呼吸性洞性不整脈 (RSA) はSTTSに反映されると考えられる. RRITSのSD_R-RとCV_R-R, およびLTTSのCV_{R -R}は眼球圧迫により有意 (P<0.05) に上昇した. したがって, 生理的なRSが顕著な犬でも, 眼球圧迫による副交感神経の緊張度亢進はCV_{R -R}に反映されると考えられる. アシュネル眼球圧迫試験の生理的な最大徐脈は, 眼球圧迫前1分間の平均IHRに対して-10.4±3.4拍/分 (-13.1±5.0%), 95%信頼区間は-12.9～-7.8拍/分 (-46.8～-9.4%) であり, 17%以上の徐脈が犬における本試験の反射亢進の暫定的基準となると考えられる.

収録刊行物

• 日本獣医師会雑誌

  日本獣医師会雑誌 57 (3), 186-191, 2004

  公益社団法人 日本獣医師会

キーワード

• 徐脈
• 犬
• 心拍変動
• 眼球心臓反射
• RR間隔

詳細情報

• CRID: 1390001204711422720
• NII論文ID: 10012719900
• NII書誌ID: AN00191857
• DOI: 10.12935/jvma1951.57.186
• ISSN: 21860211
• ISSN: 04466454
• NDL書誌ID: 6884658
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010692032
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I6884658
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2004154297
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可