化膿性肝膿ようと大腸癌が共存した2型糖尿病の1例

  • 麻生 好正
    獨協医科大学越谷病院内分泌代謝・血液・神経内科
  • 藤原 幸雄
    獨協医科大学越谷病院内分泌代謝・血液・神経内科
  • 奥村 期一
    獨協医科大学越谷病院内分泌代謝・血液・神経内科
  • 田山 一己
    獨協医科大学越谷病院内分泌代謝・血液・神経内科
  • 上田 善彦
    獨協医科大学越谷病院病理
  • 森 吉臣
    獨協医科大学越谷病院病理
  • 犬飼 敏彦
    獨協医科大学越谷病院内分泌代謝・血液・神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • ショウレイ ホウコク カノウセイ カン ノウヨウ ト ダイチョウ ガン ガ キョウゾン シタ 2ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は54歳, 男性. 42歳時に糖尿病と診断された. 1996年8月, 発熱, 全身倦怠感のため, 当科入院となった. 随時血糖423mg/dl, Hb A1c9.4%とコントロール不良であった. WBC 17, 200/μl, CRP 20.5mg/dlと炎症反応陽性, またALP 2, 956U/lと胆道系酵素の上昇を認め, 腹部CT所見より肝膿瘍と診断し, 経皮経肝ドレナージ, 抗生剤およびインスリン療法により, 臨床症状のみならず肝膿瘍も改善した. 精査中, 大腸内視鏡にてS状結腸に腫瘍を認め, 生検にて高分化腺癌と診断された. 11月, 当院外科にて大腸癌切除術施行, 組織学的所見で腫瘍近傍に膿瘍形成を認めた, 術後経過は良好で, 5年6カ月経過した現在において, 大腸癌の再発および肝病変の存在を認めていない. 本症例は, 2型糖尿病患者に肝膿瘍と大腸癌が共存した稀な症例であり, さらに大腸癌が肝膿瘍の原因である可能性が示唆された興味深い症例と考え, 報告する.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 46 (10), 795-799, 2003

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (23)*注記

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