固相有機反応の新展開 活性種を用いた固相反応

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  • 活性種を用いた固相反応

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抄録

今日, コンビナトリアル・ケミストリーの方法論と自動合成装置の登場により, 24時間人手をかけることなく, 膨大な種類の化合物を作り出すことができるようになった。この方法論は従来の天然物合成 (精密合成) の方法論とは次元を異にする新しいもので, いわゆるライブラリー合成の方法論と呼ばれるものである。また, この方法は付加価値の高い化合物である医薬などの薬理活性物質や機能性分子の探索, 開発にすでに応用され成果を上げつつあり, 特に創薬には革命的変化をもたらした, とさえいわれるほどである。一方, 1970年代のMerrifieldによるペプチド固相合成にその源を発する固相反応は反応後, ろ過で不要物を洗い流すだけという簡便な操作性のため, 実際上, コンビナトリアル合成やその自動化を実現できる唯一の方法である。しかし固相反応には, 目的物が低収率でしか得られない, 途中の反応モニターが難しい, 使える反応の多様性が溶液反応に及ばない, などの欠点も多く, 未だ固相反応に対する信頼性は低いものがある。それらの最大の原因は均一系で行う溶液反応に比べ, 固相反応が多くの場合.固一液という不均一系での反応であることに由来する明らかな反応性面での不利にある。本稿では特にこの反応性の欠如を活性種であるカルベンやカルベノイドの高い反応性により補い, 均一系のような普遍的な反応性と多様な反応への応用性を目指した筆者らの研究について述べる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205276882432
  • NII論文ID
    10012768776
  • NII書誌ID
    AN0024521X
  • DOI
    10.5059/yukigoseikyokaishi.59.426
  • ISSN
    18836526
    00379980
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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