下垂体性副腎皮質機能亢進症の犬3例に対するトリロスタン投与の効果

  • 谷 浩行
    大阪府立大学大学院農学生命科学研究科獣医内科学研究室
  • 笹井 和美
    大阪府立大学大学院農学生命科学研究科獣医内科学研究室
  • 馬場 栄一郎
    大阪府立大学大学院農学生命科学研究科獣医内科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Evaluation of Trilostane in treating Pituitary-dependent Hyperadrenocorticism in Three Dogs

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抄録

下垂体性副腎皮質機能亢進症(PDH)の犬3例にトリロスタンを投与し、その治療効果について検討した。PDHの犬3例に0.2~6mg/kgのトリロスタンを1日1回経口投与し、各症例の来院時毎に完全血球計算検査、血液生化学検査およびACTH刺激試験を行った。3症例とも薬剤投与開始後20日~1カ月で多飲多尿の改善が認められた。脱毛が認められた2症例についてはそれぞれ薬剤投与開始後6および4カ月で発毛がみられた。パンティングおよび活動性の低下が認められた1症例についてはそれら症状が改善された。いずれの症例においても薬剤投与による副作用と思われる症状は認められなかった。薬剤投与開始後、全ての症例において血清ALT値、ALP値、TCho値およびACTH刺激後の血清コルチゾール濃度が漸次減少した。以上のことからトリロスタンは犬のPDHの治療に有効な薬剤であると思われた。

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参考文献 (13)*注記

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