歯周治療における歯の喪失に関する研究

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  • A Study for Periodontal Treatment and Tooth Loss

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抄録

開業歯科医院における歯周治療と歯の喪失との関係を知ることを目的とし, 歯周治療の過程における歯の喪失について, 病因, 抜歯時期を含め検討し, 併せて, その結果を歯科大学附属病院の歯周専門診療科 (歯周治療科) と比較し検討した。対象は成人性歯周炎と診断され, 歯周治療が行われてメインテナンスに移行し, その後5年が経過した92名で, 歯周治療科では38名である。その結果, 歯周治療開始よりメインテナンス5年後までの抜歯数は, 歯周治療対象歯の3.3%であった。歯周治療科では6.2%で, 抜歯された割合は倍であった。抜歯を病因別にみてみると歯周疾患に起因したもの (P) が61%だったが, 歯周治療科では89.7%であった。歯周治療科ではPの抜歯が約90%を占めていたのに対し, 開業歯科医院では, 齲蝕または根尖性疾患に起因したもの (C) が40%近くを占めていた。Pで抜歯されたもののうち, 歯周治療時に抜歯されたのは32.5%であったが, 歯周治療科では77.6%と倍以上であった。メインテナンス移行後抜歯されたのは28.6%であったが, 歯周治療科では大部分が歯周治療時に抜歯され, メインテナンス移行後は少なかった。メインテナンス対象歯のうちPで抜歯されたのは1.0%であり, 歯周治療科では0.8%と両方とも低い値で, メインテナンスを含んだ歯周治療が効果的に行われていることを示した。

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