肝細胞腺腫との鑑別が困難であった大型高分化型肝細胞癌の1切除例

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タイトル別名
  • A case of well differentiated hepatocellular carcinoma mimicking hepatic adenoma

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抄録

症例は79歳の男性. 肝炎ウイルスが陰性で, PIVKA-IIが10.1AU/mlと上昇. 肝S4に被膜を有し内部出血・壊死を伴った径7cm大の腫瘍を認めたため外科的切除が行われた. 当初肝細胞腺腫の病理学的診断を得たが, 術後1年6カ月後に再発を認めたため, 高分化型肝細胞癌と診断を変更した. このような比較的高齢で肝炎ウイルス陰性の肝に発生する, 動脈性の腫瘍血管を有する肝細胞腺腫類似の, 大型の高分化型肝細胞癌の存在に留意する必要がある. 肝細胞腺腫と診断された症例でも術後の経過観察が重要と考えられた.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 45 (1), 26-32, 2004

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (17)*注記

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