アテロコラーゲンの前房内投与による白色家兎高眼圧モデルの作成

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タイトル別名
  • Intracameral injection of atelocollagen as an experimental glaucoma model in the albino rabbit
  • アテロコラーゲン ノ ゼン ボウ ナイ トウヨ ニ ヨル ハクショク カト コウガンアツ モデル ノ サクセイ

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抄録

目的: 白色家兎を用いて簡便かつ再現性および安定性の高い実験緑内障モデルを作製する. 方法: 30ゲージ針を用いて白色家兎の前房水を0.2ml穿刺した後, 3%アテロコラーゲン (0.1ml・0.2ml・0.25mlおよび0.3ml) を前房内に注入した. 注入1, 2, 7, 14, 28および56日後に, トノペンXL眼圧計による眼圧測定および前眼部観察を行った. 以上の処置は白色家兎の片眼だけに行い, 他眼は対照とした. 注入56日後に眼球を摘出して組織学的検討を行った. 結果: 3%アテロコラーゲン0.1ml注入群 (n=4) および0.2ml注入群 (n=4) では全眼いずれも注入7日後までに眼圧が20mmHg以下に下降した. 0.25ml注入群 (n=7) では全眼で20mmHg以上の高眼圧が注入56日後まで維持された. 0.3ml注入群 (n=4) のうち3眼では20mmHg以上の高眼圧が注入56日後まで維持されたが, 残り1眼は注入2日後に眼圧が20mmHg以下に下降した. アテロコラーゲン注入眼すべてに角膜血管新生がみられたが, 前眼部炎症は軽度であった. 高眼圧眼の組織学的所見では, 著明な視神経乳頭陥凹と乳頭辺縁における視神経線維層の菲薄化, 網膜神経節細胞層における細胞変性および空胞化がみられた. TUNEL陽性細胞も少数認められた. 結論: 0.25mlの3%アテロコラーゲン前房内注入により, 実験緑内障モデルの作製が容易であった. 将来の緑内障性視神経障害研究に本実験モデルが有用であることが期待される.

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参考文献 (28)*注記

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