食道,胃,中咽頭の同時性3重複癌の1切除例

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タイトル別名
  • A Case of Excision of Synchronous Triple Cancers of the Esophagus, Stomach and Oropharynx

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抄録

今回われわれは食道,胃,中咽頭に発生した同時性3重複癌の1切除例を経験したので報告する。症例は71歳,男性。平成14年4月に左側口峡部に腫瘤を自覚し,徐々に嚥下時痛増強してきたため当院口腔外科受診,中咽頭癌の診断にて入院となった。入院後の上部消化管内視鏡検査によるスクリーニングにて胸部中部食道に0-Ipl+IIcの食道癌を認め,さらに胃体上部小弯および体中部後壁に0-IIbの多発胃癌を認めた。食道,胃,中咽頭の同時性3重複癌と診断し,右開胸開腹胸部食道全摘,両側頸部郭清,胃全摘,中咽頭腫瘍切除,胸骨後経路結腸再建術を一期的に施行した。病理組織診断では食道は深達度sm2の扁平上皮癌,胃は深達度mの腺癌が3病変の多発癌,中咽頭は深達度T2の扁平上皮癌であった。食道癌を含む同時性3重複癌に対する一期的切除術症例は稀であることから,文献的考察を加えて報告する。

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参考文献 (11)*注記

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