生検による術前病理診断が困難であった食道小細胞癌の1例

• 松橋 延壽

  岐阜大学腫瘍外科

• 長尾 成敏

  岐阜大学腫瘍外科

• 田中 千弘

  岐阜大学腫瘍外科

• 八幡 和憲

  岐阜大学腫瘍外科

• 杉山 保幸

  岐阜大学腫瘍外科

• 佐治 重豊

  岐阜大学腫瘍外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Small Cell Carcinoma of the Esophagus who Failed to be Diagnosed Correctly by Preoperative Endoscopic Biopsy

抄録

症例は83歳, 男性。食思不振のため, 上部消化管内視鏡検査施行したところ門歯列より30cm付近に2cmの隆起性病変を認め, 生検の結果squamous cell carcinomaと診断され当科へ紹介された。術前診断Mt, sm3, 2.0×3.0cm, N0, H0, M0.Stage I。術式は, 高度の閉塞性肺障害のために開胸不能と考え非開胸食道抜去, 胸骨前胃管再建術を施行した。術後病理組織学的検査所見 : Undiffretiated carcinoma, small cell type＞squamous cell carcinoma, cN0, 総合進行度cStage Iと診断した。術後経過は良好で, 退院したが術後9カ月目, 多発肝転移, 縦隔内再発を認め, 自宅で療養中であったが術後11カ月永眠された。早期食道小細胞癌の報告は極めて稀であり, 自験例は病理組織学的特徴, 形態学特徴からも初期像を観察できた興味ある症例であり, 診断および治療方針において反省を踏まえた上で報告する。

収録刊行物

• 日本外科系連合学会誌

  日本外科系連合学会誌 29 (5), 872-877, 2004

  日本外科系連合学会

キーワード

• 術前診断
• 生検
• 同小細胞癌

詳細情報

• CRID: 1390001204349111040
• NII論文ID: 10013764219
• NII書誌ID: AN00002502
• DOI: 10.4030/jjcs1979.29.5_872
• ISSN: 18829112
• ISSN: 03857883
• ISSN: http://id.crossref.org/issn/03857883
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcs1979/29/5/29_5_872/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2005034278
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可