骨髄移植における無菌化とその感染予防効果の検討

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タイトル別名
  • The effects of Preventive Regimens for the Prophylaxis of Infection after Bone Marrow Transplantation
  • コツズイ イショク ニ オケル ムキンカ ト ソノ カンセン ヨボウ コウカ

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抄録

最近の造血幹細胞移植の多様化と患者の病態に応じた至適な感染予防法の確立を目的に,無菌化の実態と無菌化薬剤の有効性につき成人白血病42症例を用いて検討した。スタンダードリスク(SR)症例(急性白血病第1寛解期と慢性骨髄性白血病第1慢性期のHLA適合同胞間移植と自家移植)の38°C以上の発熱日数は平均1.33日,ハイリスク(HR)群(白血病進行病期での移植と非血縁者間骨髄移植)は平均4.93日とHR症例で発熱し易い傾向を認めた。無菌化のための服薬状況は移植開始後はほとんどの症例で不十分なものであり,抗生剤服薬の可否は腸内無菌化(便中細菌培養結果)に影響を及ぼしていた。さらに,HR症例では腸内細菌無菌化の有無は移植後の白血球低値時の易発熱性に関連していた。以上の結果からHR症例では無菌化は感染予防に重要であり,今後より実施可能な方法を検討する必要があり,SR症例では無菌化を軽減してもよい可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 38 (2), 108-116, 1997

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (21)*注記

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