当院における常温体外循環法

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抄録

当院では,膀胱温35℃ を目標とした常温体外循環を行っている。灌流指数は2.2~2.6l/min/m2を維持し,低灌流圧で維持している。完全体外循環となった時点でプロスタグランディンE1(PGE1)を3ng/kg/minで開始,以降体外循環(CPB)停止時まで持続的に投与した。橈骨動脈での灌流圧は30mmHg以上で,尿量1ml/kg/h以上が保たれるように行った。目標の灌流圧が得られない場合は,塩酸フェニレフリンを用いた。一般的に,脳循環の自己調節機構を保持するには,50mmHgを確保する必要があると言われているが,50mmHgを下回る時間がCPB時間の77.5±16.3%を占めた。CPB中の血液ガス分析の値は良好に保たれた。体外循環バランス,術中総水分バランスによる水分の体内貯留量は少なかった。塩酸フェニレフリン使用率は多い傾向を示した。また,手術当日の人工呼吸器離脱率は高く,主要臓器の重大な術後合併症はなかった。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 27 (1), 21-23, 2000

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (6)*注記

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