体外循環におけるコンピュータの応用の実際と今後  新しい人工心肺支援システムと体外循環自動化の可能性

  • 百瀬 直樹
    自治医科大学附属大宮医療センター臨床工学部

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タイトル別名
  • ―新しい人工心肺支援システムと体外循環自動化の可能性―

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抄録

【要旨】コンピュータの発展は目覚ましく,幅広い分野で応用されている。体外循環においても情報処理あるいは安全装置として使用されており,将来は自動化のための制御装置として応用されるものと考えられる。我々は1989年にパーソナルコンピュータを使用した人工心肺支援システムを開発した。このシステムは情報を処理するだけではなく,情報を監視する人工心肺の安全装置としても働くように設計した。臨床応用の結果,体外循環の安全性の向上と省力化においての有用性が確認できた。その一方で,コンピュータの基本操作が煩雑であることや,現在のパーソナルコンピュータそのものが不安定であることなどの問題点も明らかになった。将来,人工心肺の自動化を目指す際,コンピュータの改良を重ねたとしても,現在の鉗子操作を主体とする体外循環法では自動制御を困難にすることが予想される。自動化のために体外循環法を改革することができれば,ほとんどの体外循環操作を自動化させることは可能と考えられる。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 27 (2), 31-35, 2000

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (11)*注記

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