シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状に対する塩酸セビメリンの有用性の検討

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  • Clinical significance of cevimeline hydrochloride in the treatment of dry mouth in patients with Sjoegren's syndrome

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抄録

【目的】 シェーグレン症候群 (SS) 患者の口腔乾燥症状に対する塩酸セビメリンの有用性および安全性を検討した.<BR>【方法】 SS患者9例 (全例女性, 平均年齢54±5歳) において, 塩酸セビメリン60-90mg/日を24週間投与して以下の項目について検討を行った. 1) 口腔乾燥症状 (visual analogue scale [VAS] : 最良0mm, 最悪100mm), 2) サクソンテスト (g/2分), 3) 唾液腺シンチグラフィー, 4) MRシアログラフィー, 5) 臨床検査値, 6) 有害事象.<BR>【結果】 1) 評価可能8例中, VASにて口腔乾燥症状は6例が改善, 1例が不変, 1例において悪化した. 全症例平均では, 投与前65.5±10.2mmに対し, 24週後51.0±22.1mmと有意に改善した (p<0.05). 2) 唾液分泌量は, 投与前0.85±0.48gに対し, 24週後1.45±1.10gであり, 有意に改善した (p<0.05). 唾液増加率は8例中5例において20%以上の改善を示し, 全症例平均では投与前に対し24週後において175±118%であった (p<0.05). 3) 唾液腺シンチグラフィーでは, 8例中3例が改善, 5例は不変であった. 4) MRシアログラフィー所見と唾液増加率の間に, r=−0.754 (p<0.05) の有意の負の相関関係を認めた. 5) 重篤な臨床検査値の異常変動は認めなかった. 6) 1例が頭痛, 嘔気にて投与4週にて中止した. 発汗過多, 頻尿, 動悸, 胸痛, 下痢などがみられたが重篤な副作用は認めなかった.<BR>【結論】 塩酸セビメリンはSS患者の口腔乾燥症状を改善し, 唾液腺病変が軽度なほど効果的であると考えられる. 臨床検査値変動, 副作用に重篤なものはなく, 有用な薬剤と考えられた.

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