腹腔鏡下手術を施行した胃石による腸閉塞の1例

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  • A Case of Intestinal Obstruction due to a Bezoar Operated with Laparoscopic Surgery

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抄録

胃石による腸閉塞と術前診断し, さらに腹腔鏡下に胃石が存在した小腸を同定すると共に小開腹下に胃石を摘出したので報告する。症例は60歳の女性で, 28年前に十二指腸潰瘍にて選択的迷走神経切離術兼幽門形成術を受けた。下腹部痛と嘔吐を主訴として来院し, 腸閉塞と診断してイレウスチューブを留置した。上部消化管内視鏡検査では胃内に結石を, 腹部CT検査では胃および小腸に含気性の海綿状腫瘤を認めたため, 胃石による腸閉塞と診断した。保存的療法で改善しないため, 腹腔鏡下に胃石が存在した小腸を同定し, 小開腹下に小腸を縦切開して摘出した。胃石は4.5×3.0cm大で, 成分分析より柿胃石と判明した。また胃内の結石は内視鏡下に粉砕し, 経口的に摘出した。胃石による腸閉塞と術前診断するためには, 詳細な問診とCT検査での小腸内海綿状腫瘤の確認が大切であった。また腹腔鏡下手術を行うことにより, 小開腹創から小腸内の胃石を摘出することができた。

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