北海道における牛ヘルペスウイルス4型の浸潤状況

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タイトル別名
  • Infiltration of Bovine Herpesvirus 4 into the Hokkaido District, Japan
  • ホッカイドウ ニ オケル ウシ ヘルペスウイルス 4ガタ ノ シンジュン ジョウキョウ

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抄録

牛ヘルペスウイルス4型 (BoHV-4) 国内分離株を抗原とする間接蛍光抗体法 (IFAT) および市販ELISAキットを用いて, 1998~1999年に北海道で採取された牛血清230検体中の抗体検出を試みたところ, 後志を含む3管内で抗体陽性農場を確認した. また, 後志管内で採取された牛血清を用いてIFATを実施した結果, 1998~1999年の血清では陽性農場が5戸であったのに対し, 2000~2002年は9戸であった. 1998年の抗体陽性農場4戸は2002~2003年においても陽性牛を確認した.また, 2002年の抗体陽性農場4戸のうち, 繁殖雌牛と育成牛が同居している3戸の抗体陽性率は64.7-100%で, そのうち2農場では育成牛の50%以上が陽性だった. いっぽう, 繁殖雌牛と育成牛が別々に飼養されている1戸の陽性率は21.9%であった. 今回の成績から, 後志管内では, わが国で初めてBo HV-4が分離された1999年以前から本ウイルスが存在し, 徐々に牛群に浸潤していることが示唆された. また, BoHV-4の伝播には育成牛が重要な役割を果たしており, 感受性の育成牛と持続感染していると考えられる抗体陽性牛との接触感染が繰り返され, ウイルスが農場に常在化することが推察された.

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