術前に胃粘膜下腫瘍が疑われ術後に胃結核と診断された1例

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タイトル別名
  • A Case of Gastric Tuberculosis with Suspected Gastric Submucosal Tumor before Operation

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抄録

術前に粘膜下腫瘍が疑われ術後に胃結核と診断された1例を経験した.症例は79歳の男性で,既往歴は30歳時に右肺結核にて区域切除を施行し,以後肺結核の再燃は認めていなかった.現病歴は平成14年5月37.8℃の発熱と腹痛を認め紹介受診.不明熱として対症療法を行っていた.平成15年3月精査のための上部消化管内視鏡検査にて胃体上部前壁に4cm大の正常粘膜に覆われた粘膜下腫瘍を認めた.形態的にGISTも否定できないため手術を施行.術式は胃局所切除を施行.肉眼的には内部に淡黄色の膿汁を貯留した膿瘍形成を示しており,病理学的には抗酸菌は同定できなかったが,中心に乾酪壊死を認めLanghans巨細胞を伴った類上皮肉芽腫を認め,胃結核の診断になった.胃結核は腸結核の中でもまれであるが,結核患者は現在でも減少しておらず,当疾患にも注意が必要と考えられた.

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