非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) の病理組織

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  • Histopathology of Non-alcoholic steatohepatitis (NASH)

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抄録

非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) の病理組織像を概説した. 基本的な組織像は, 鍍銀像でアルコール性肝線維症 (ALF ; alcoholic liver fibrosis) の線維化パターンに中等度以上の大滴性の脂肪化が加わったものである. HE染色では実質の軽度から中等度までの壊死・炎症所見を認めるが, 限界板のpiecemeal necrosisの顕著な例は少ない. その他には, 肝細胞の風船様膨化, 核空胞化, 脂肪肉芽腫, 胞体内凝集傾向, が種々の程度で重複して観察され, 約30%にマロリー体 (MB) が出現する. アルコール性脂肪肝炎 (ASH) との比較では, 脂肪化の程度, 脂肪嚢, 核空胞化, 脂肪肉芽腫の出現頻度がNASHで高く, 一方, 類洞内好中球浸潤の程度はASHでより強く, MBの性状は, NASHで細く・ひも状で, ASHでは棍棒状・鹿角状でその周囲には好中球の遊走を高頻度にともなう.

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