長期経過中に肝細胞癌と脾動脈瘤を合併したBudd-Chiari症候群の1治療例

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  • Hepatocellular Carcinoma and Splenic Artery Aneurysm Arising in a Patient with Budd-Chiari Syndrome : A Case Report

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抄録

Budd-Chiari症候群に肝細胞癌と脾動脈瘤を合併した1例を経験した.Budd-Chiari症候群が両者の発生や増悪に関与することを示唆する興味深い症例と考えられた.症例は69歳の女性で.1985年に下大静脈隔膜切開術を施行し,以後経過観察されていた.この治療から16年後の2001年7月肝S8-7, S5にそれぞれ2cm大の肝細胞癌が出現し経肝動脈塞栓術が施行された.また1989年径2.3cmで指摘されていた脾動脈瘤が3.3cmと漸次増大傾向が認められ. 2002年7月瘤を含めた脾臓摘出術が施行された.門脈圧は脾摘前21cm H_2Oであった.術後脾静脈から門脈にかけて血栓形成がみられたが,保存的に軽快した.同時に施行した肝生検の病理所見は門脈性,うっ血性肝硬変の混合型を呈していた.本症例における肝細胞癌,脾動脈瘤の成因について,文献的考察を加え報告する.

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