ヘルスケアファイル(データグラフ化ファイル)を用いた糖尿病診療―患者理解推進とチーム医療のツールとして―

  • 村山 直美
    東邦大学医学部付属佐倉病院看護部
  • 前田 ゆかり
    東邦大学医学部付属佐倉病院看護部
  • 伊藤 嘉晃
    東邦大学医学部付属佐倉病院看護部糖尿病内分泌代謝センター
  • 宮下 洋
    東邦大学医学部付属佐倉病院看護部糖尿病内分泌代謝センター
  • 橋口 正一郎
    東邦大学医学部付属佐倉病院看護部糖尿病内分泌代謝センター
  • 白井 厚治
    東邦大学医学部付属佐倉病院看護部内科

書誌事項

タイトル別名
  • コメディカルコーナー ヘルスケアファイル(データグラフカ ファイル)オ モチイタ トウニョウビョウ シンリョウ : カンジャ リカイ スイシン ト チーム イリョウ ノ ツール ト シテ
  • 患者理解推進とチーム医療のツールとして

この論文をさがす

抄録

糖尿病治療は, 患者の意志に依存した生活習慣の見直しと是正が必要であり, さらにそれが患者の十分な理解に基づくことが望ましい. そのためには, 医療情報を的確に伝える必要がある. 我々は患者, 及び医療スタッフも病状把握が正確かつ容易にできるようにデータのグラフ化ファイル「ヘルスケアファイル」を作成し, 今回, その有用性を検討した. 本ファイルは, A4サイズで, 糖尿病, 肥満, 高脂血症, 高血圧, 喫煙状況を3-4段階評価し, 合併症を図示, また体重主要検査データをグラフで記録するものである. これを患者に渡し, 通院時毎に複数の医療スタッフが, 新データの記入と繰り返し指導を行った.-年間の通院継続率は, 本ファイルを持たせた群 (F+群; n=367) は, 持たせない群 (F-群; n=190) に比し, 高値 (9596 vs 7596) であった. HbAlC値は, F+群で, 1.596低下, F-群では, 0.596であった. 体重は, 肥満者 (BMI) 23kg/m2) では, F+群で有意に低下した (1.8kg vs 0.2kg), 以上より, 本ファイルを用いた患者指導は, ドロップアウトを減らし, 血糖管理および体重管理に有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 47 (12), 951-958, 2004

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (6)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ