在院日数低下に寄与する因子についての検討―SSIサーベイランスとクリテイカルパスの有用性―

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タイトル別名
  • An Analysis of Factors Contributing to Reduce Days of Admission
  • ザイイン ニッスウ テイカ ニ キヨ スル インシ ニ ツイテ ノ ケントウ SSI サーベイランス ト クリテイカルパス ノ ユウヨウセイ
  • SSIサーベイランスとクリテイカルパスの有用性

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抄録

消化器外科予定手術を対象とし, 各々の要因別に手術部位感染 (SSI) 発生率を検討した. SSIは全体で8.9%にみられ, 手術手技別では, 肝・胆管・膵臓, 大腸, 胆石の各手術で10%以上の高い値を示した. SSIサーベイランス導入例, クリティカルパス導入例ではSSIの発生率が低値であった.手術予定時間の増加, およびASA分類, 創分類, NNIS risk indexでの危険度の増加はSSIの発生率を有意に増加させた. 抗菌薬は第一世代セフェム (CEZ) が全体の66.9%に使用されていたが, SSI発生率は4.5%であり, 第二世代 (CTM, CMZ), 第三世代 (FMOX, CPZ/SBT) の19%, 17%に比べて有意に低値であった. 創外感染ならびに全体のMRSA発生率も第一世代使用例が最も少なかった. 術後入院日数はSSIの発生で有意に増加した. 多変量解析 (パス解析) により各要因とSSI発生との関連を探索したところ, T時間の増加および胃手術に比べた時の肝・胆管・膵臓, 大腸, 胆石手術は独立したSSI発生の正の危険因子であり, 逆にクリティカルパスの導入は負の危険因子であった. 抗菌薬とSSIとの関連では, 第一世代が第二世代に比べてSSI発生への関与が低いことが認められた. SSIの低減にはクリティカルパスによる管理ならびに第一世代セフェム系抗菌薬の予防投与が有用である可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 20 (1), 7-12, 2005

    日本環境感染学会

参考文献 (13)*注記

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