新生児開心術での吸引補助脱血法の経験

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抄録

当院では,充填量削減を目的に脱血方法を落差脱血から吸引補助脱血に変更した。新生児体外循環において,落差脱血と比較検討し,その有用性および今後の可能性について検討したので報告する。対象は,VAVDを行った41例(V群),落差脱血を行った41例(N群)である。充填量,追加輸血量,Ht,GOT,LDHについて比較検討した。また,新生児症例と同様の脱血管,回路を使用したVSD症例30例(C群)と流量および脱血圧を比較した。充填量は,V群が有意に少なく,HtはCPB中の最低値,MUF後でV群が有意に高かった。術翌日のGOT,LDHは,有意差はなく,GOT,LDHおよび脱血圧にはばらつきが見られた。V群の脱血圧と流量にはばらつきが見られたが,C群では相関を示した。VAVD用回路に改良し,充填量を削減できた。新生児体外循環では脱血圧と流量にはばらつきが見られた。軽度脱血不良の場合でも,溶血を増加させない範囲で陰圧を調整することにより対処することが可能であった。新生児静脈に対して能力の高い脱血管が存在すれば,更にVAVDが行いやすくなると考えられた。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 32 (1), 19-22, 2005

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (1)*注記

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