外科感染症分離菌とその薬剤感受性

書誌事項

タイトル別名
  • BACTERIA ISOLATED FROM SURGICAL INFECTIONS AND ITS SUSCEPTIBILITIES TO ANTIMICROBIAL AGENTS
  • 外科感染症分離菌とその薬剤感受性--2003年度分離菌を中心に
  • ゲカ カンセンショウ ブンリキン ト ソノ ヤクザイ カンジュセイ 2003ネンド ブンリキン オ チュウシン ニ
  • SPECIAL REFERENCES TO BACTERIA ISOLATED BETWEEN APRIL 2003 AND MARCH 2004
  • 2003年度分離菌を中心に

この論文をさがす

抄録

1982年7月から外科感染症分離菌に関する多施設共同研究を行ってきたが, ここでは2003年度 (2003年4月-2004年3月) の成績を中心にまとめた。1年間で調査対象となった症例は254例であり, このうちの191例 (75.2%) から441株の細菌と14株の真菌が分離された。一次感染症から239株, 術後感染症から216株分離された。一次感染症では, 術後感染症と比較し, 嫌気性グラム陽性菌と好気性グラム陰性菌の分離率が高く, 術後感染症では, 一次感染症と比較し, 好気性グラム陽性菌の分離率が高かった。好気性グラム陽性菌については, 一次感染症でEnterococcus faecalisEnterococcus aviumなどのEnterococcus spp. の分離頻度が高く, 次いでStaphylococcus aureusであり, 術後感染症ではE. faecalisに次いでS.aureusの分離頻度が高かった。嫌気性グラム陽性菌では, 一次感染症, 術後感染症ともにPeptostreptococcus spp.が多く分離された。好気性グラム陰性菌では, 一次感染症からEscherichia coliの分離頻度が最も高く, 次いでKlebsiella pneumoniae, Enterobacter clocae, Pseudomonas aeruginosaなどであった。術後感染症からはE.coliの分離頻度が最も高く, 次いでP. aeruginosa, E. cloacae, K. pneumoniaeなどであった。嫌気 性グラム陰性菌では, 一次感染症および術後感染症ともBacteroides fragilis groupの分離頻度が高かった。年次的変動では, 一次感染症で嫌気性グラム陽性菌が, 術後感染症で好気性グラム陽性菌の分離頻度が高くなっていた。MRSAに対して, ABKに抗菌力の低下が認められた。VREは全集積期間を通じて認めず, 前年度10%に認められたCEZ高度耐性E.coliは認めなかった。カルバペネム耐性P. aeruginosaは10%以内であった。Enterococcus Spp.と嫌気性菌の増加については要注意と考えられる。

収録刊行物

被引用文献 (11)*注記

もっと見る

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ