腹腔鏡にて確定診断が得られた先天性胆嚢欠損症の1例

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  • A Case Report of Congenital Absence of the Gallbladder : Useful to Use Laparoscopy for Diagnosis

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抄録

症例は19歳, 女性。右季肋部痛あり, 1~3カ月毎に同様の症状を繰り返していたが放置していた。再度右季肋部痛出現し, 近医受診。同院での腹部超音波検査にて胆嚢が同定不能であった。右季肋部痛は改善されず, 当院受診。入院後腹部超音波検査, 腹部CT, MRCP施行したが, いずれも胆嚢は同定されなかった。他部位にも明らかな所見は認められず腹痛の原因は不明であった。入院後も症状が持続していたことから, 胆嚢炎による胆嚢萎縮も考慮し, informed consentに基づいて, 診査腹腔鏡を施行した。腹腔鏡所見では, 胆嚢, 胆嚢管とも同定できず, 先天性胆嚢欠損症と診断された。また虫垂は認められなかった。先天性胆嚢欠損症は, 胆道系の奇形の中でも稀なものであると考えられ, 腹腔鏡にて本症の確定診断が得られた報告例は本邦にて10例と少ない。本症をみたときは先天奇形や悪性腫瘍等の合併疾患の出現を念頭におくことが必要と思われる。

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