ピンファイバービデオスコープによるDNA一分子操作

  • 鈴藤 正史
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻
  • 大西 仁志
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻
  • 平川 靖之
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻
  • 升島 努
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Manipulation of a Single DNA Molecule under the Pin-Fiber Video Scope
  • ピンファイバービデオスコープ ニ ヨル DNA 1ブンシ ソウサ

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抄録

1本の光ファイバーにより顕微照明を行うビデオマイクロスコープ法(ピンファイバービデオマイクロスコープ法)を開発し,蛍光色素YOYO-1で染色したλ-phage DNAの伸張過程をリアルタイムで観察した.そのため,微小流動装置を用いた固定法を開発し,DNA光切断現象の評価も行った.まずpoly-L-lysineコートしたカバーガラス上へのλ-phage DNAの固定様式について詳細に調べ,光切断観察に最適なDNAの末端のみを固定する条件を求めた.そして,この条件下でλ-phage DNAに光ファイバーで一部分のみを集中的に照明すると,蛍光輝度の上昇とともに激しいうねり運動が観察された.照明強度とうねり運動の運動エネルギーの間の強い相関から,このうねり運動は光吸収に伴う熱発生によるものと考えられた.また,窒素置換した条件下では切断するまでに要する時間が大幅に伸びたことから,λ-phage DNA自身の運動とともに活性酸素が切断に関与していることが示唆された.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (6), 455-458, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (18)*注記

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