エタノール,イソプロパノール,メタノール変性アルコール製剤に関する殺菌効力の検討

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  • Study of Bactericidal Activities in Ethylalcohol, Isopropanol, and Methylated Ethanol and Isopropanol Preparations.

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抄録

注射部位の皮膚消毒には80vol%消毒用エタノール (ETOH), 70vol%イソプロパノール (IPA), 80vol%メタノール変性アルコール (NEO) が使用されている.これらの同等性の如何を検討する目的で, それぞれの試験液 (未希釈液) と1.5倍, 2倍, 3倍希釈液の各種臨床分離株に対する殺菌効果および医療従事者 (n=10) を対象とした皮膚の除菌効果を検討した.その結果, 3種の未希釈液および1.5倍希釈液は各種細菌を15秒で殺菌したが, 2倍希釈液では30秒の接触でETOHに比しIPA, NEOがより高い殺菌効果を示した.皮膚の除菌率ではETOHの未希釈液は99.0±1.3%となり, 2倍希釈液85.0±18.6%および3倍希釈液61.3±30.58%との間に有意差が認められた.NEOにおいても未希釈液98.9±1.6%と2倍希釈液95.2±5.3%および3倍希釈液68.4±35.7%との間で有意差が認められた.しかし, IPAでは未希釈液の除菌率97.7±4.0%と3倍希釈液の除菌率77.3±29.1%の間にのみ有意差が認められた.これらより, 基礎的検討において各消毒剤の未希釈液および1.5倍希釈液は高い殺菌効果を有していたが, 臨床的検討ではIPAがETOHおよびNEOに比し, 高い殺菌効果を示したことから, 総合的に見た殺菌力ではIPA>NEO>ETOHであることが認められた.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 13 (2), 108-112, 1998

    日本環境感染学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (12)*注記

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