West症候群におけるin vivo `1´H‐MRSによる検討―ACTH療法の及ぼす影響について―

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of ACTH Therapy in Patients with West Syndrome as Analyzed by In Vivo 1H-Magnetic Resonance Spectroscopy

この論文をさがす

抄録

ACTH療法を施行したWest症候群の患児7例(症候性4例、潜因性3例、年齢4カ月~1歳6カ月)において1H-MRSを経時的に測定し、ACTHの脳組織に及ぼす影響について代謝の面から検討した。ACTH療法は、コートロシンZ® 0.015mg/kg/dayを2週間連日筋注し、その後6週間で漸減し中止した。ACTH療法開始1カ月後には全例でNAA/Cr比の低下を認めた。その程度は乳児例で著しかった。ACTH療法終了4カ月後にはほぼ前値に戻ったが、7例中2例(共に乳児例)で治療前よりまだ低値を示した。Cho/Cr比は乳児例では、ACTH療法開始1カ月後に低下したが、ACTH療法終了4カ月後には前値に戻った。1歳以上の2症例では低下は認められなかった。以上のことより、ACTH療法により神経細胞の活動性の低下がもたらされることおよび非可逆的な神経細胞の減少が生じる可能性が示唆された。さらにACTHには髄鞘化を抑制する作用もあると考えられた。そして、これらの作用は乳児例で著しいと考えられた。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 21 (2), 167-174, 2003

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ