若年期の虚弱下顎歯槽骨における食餌療法に関する実験的研究 : 骨基質形成

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  • An Experimental Study of Dietary Therapy on Osteoporotic Mandibular Alveolus in Young Rats : On Bone Matrix Formation
  • An experimental study of dietary therapy on osteoporotic mandibular alveolus in young rats—on bone matrix formation

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抄録

生後8週齢のWistar系雄ラット30匹を用いた.対照群 : ラット標準飼料(オリエンタル酵母工業)と水道水で4週間飼育した.カルシウム欠乏食・標準食群 : A食変型カルシウム欠乏飼料と蒸留水で3週間飼育し, 虚弱骨を惹起させた後, 標準飼料と水道水に切り換え1週間飼育した.カルシウム欠乏食・ユニカル食群 : A食変型カルシウム欠乏飼料と蒸留水で3週間飼育し, 虚弱骨を惹起させた後, ユニカル食と水道水に切り換え1週間飼育した.低カルシウム食・標準食群 : A食変型低カルシウム飼料(30%)と水道水で3週間飼育し, 虚弱骨を惹起させた後, 標準飼料に切り換え1週間飼育した.低カルシウム食・ユニカル食群 : A食変型低カルシウム飼料(30%)と水道水で3週間飼育し, 虚弱骨を惹起させた後, ユニカル食に切り換え1週間飼育した.1. 骨塩量対照群とカルシウム欠乏食・標準食群, カルシウム欠乏食・ユニカル群の間に有意差がみられた(p<0.01).対照群と低カルシウム食・標準食群, 低カルシウム食・ユニカル食群の間に有意差がみられた(p<0.05).2. 病理組織所見対照群に比べ, カルシウム欠乏食・標準食群は骨髄の拡大, 骨梁の減少が著明である.層板骨は減少し, 骨小腔の大幅な減少など骨虚弱の状態が明らかである.カルシウム欠乏食・ユニカル食群はカルシウム欠乏食・標準食群と比べ骨髄が大幅に縮小し, 骨構築の回復がみられるが, 対照群と比べ骨小腔は大幅に減少しているなどまだ骨虚弱の状態がみられる.低カルシウム食・標準食群はカルシウム欠乏食・ユニカル食群と比べ厚い新生骨の添加がみられ, 層板骨でのハバース系と骨小腔の増加がみられる.低カルシウム食・ユニカル食群は対照群と比べ, 骨基質形成は対照群と同様な所見を呈している.以上の結果から一時期骨虚弱状態になったとしても, ユニカル食餌療法を行うことにより骨吸収から骨形成のための成長期の骨代謝が正常に行われ骨の回復が可能であることが示唆された.

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